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デルサルト・システムの流行と衰退

" アレクサンダー・テクニーク "

2018年4月24日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

デルサルトは体の動きを記号として捉えて、それが表す感情との関係に法則性を見出そうとしました。

 

彼が「観察」という時、それは体の動きとその背後にある感情の両方を観ています。

 

それは自分自身のこともあるし、道行く人や絵画などに描かれた人物のこともありました。

 

そして、動きと感情の関係性を1つ1つ対応させていきます。

 

例えば、こんな具合です。

Main horizontale (la face dorsale en haut) – on protège.

Horizontale, face palmaire en haut – on montre.

Verticale – on affirme connaître parfaitement.

Verticale et face palmaire tournée vers l’auditeur – on affirme simplement.

Verticale et la face dorsale tournée vers l’auditeur – on affirme mais d’une façon hautaine : je n’ai rien à vous expliquer ; c’est comme cela !

Verticale et la face palmaire tournée vers l’auditeur, mais la main élevée – on affirme et l’on est prêt à donner la preuve.

De même aussi la main baissée et un peu en arrière – on affirme, on pourrait donner la preuve mais on semble dire : vous devez croire à ma sincérité !

水平にした手(手背が上)-防御する。
水平にした手で手の平を上-見せる。
垂直にした手-完璧に知っていると言う。
垂直にした手で聞き手に手の平を向ける-シンプルに肯定を表す。
垂直にした手で聞き手に手背側を向ける-傲慢さをもって肯定する:「説明することなんてないよ、だってこれはそういうことなんだから!」というふうに。
垂直にした手で聞き手に手の平を向けて、かつ手を上にあげる-肯定してかつ証拠を示す準備がある。
同様に、手を下にさげて少し後ろに引く-肯定して、その証拠を示すこともできるが「君たちは私の誠実さを信じなければ!」とでも言いたげ。
 
また、こうも言っています。

Le bras et la main sont étendus horizontalement, le creux de la main en haut, le pouce écarté. Cela veut dire :

c’est !

Si la main s’abaisse un peu avec le bras, cela veut dire : probablement !

Plus encore : peut-être.

Plus encore : improbable !

Plus encore et la main pendante : non !

Plus encore, c’est-à-dire en arrière : impossible !

Si le bras s’élève au lieu de s’abaisser, on passera par les degrés contraires :

C’est

Vraiment

Sûrement

Clairement

Évidemment

Éblouissant !

腕と手を水平に伸ばし、手の平を上にして親指を広げる。その意味:確かに!

腕とともに手を少し下ろす。その意味:多分!

もっと下ろすと:おそらく。

もっと下ろすと:ありそうにない!

もっと下ろして、手をぶら下げると:いいえ!

もっと下ろして、手を後ろに下げると:あり得ません!

腕を下ろす代わりに上げて行くと逆の意味合いの方向に度合いが変わっていきます。

確かに

本当に

確実に

明らかに

明々白々に

まぶしいほどに!

 

このようにして動きと意味を関連付けて行ったデルサルトのアイデアは、当時の演劇やダンスの世界で画期的な方法として受け入れられ、19世紀末から20世紀初頭にかけて大流行します。

 

しかし、いったん確立されてしまうと、ポーズや姿勢の方が独り歩きし始めます。

Genevieve Stebbins, “Delsarte System of Expression”より

 

もともとのデルサルトはかなり経験主義的、実証主義的に観察を通じて動きと表現されるべき感情を結び付けて行きました。

 

意味も分からずにポーズや姿勢をただ真似するだけのものではなかったはずです。

 

ところが実際には、デルサルト・コルセットとか、デルサルト椅子といった便乗商品まで出回りました。

 

これを着ればあなたもデルサルトを完璧にマスターできる、この椅子で練習すればあなたも簡単にできるようになる、そんな触れ込みだったのでしょう。

 

こうして、デルサルトと言えば「よく分からないポーズをとるもの」になり、急速に廃れてしまいました。

 

しかし、こういったシステムの「生み方」の部分から学んだ人たちのメソード、テクニーク、システムは20世紀になってから数多く花開いて、今日なお伝えられています。

 

それぞれに自分の望み、必要、そして体験に基づいて、原理の発見を何度でも作り出していくことがもっとも大切な核心であると、歴史が語っているように思います。

 

そして、そのことは今日のアレクサンダー・テクニークにおいても真実ではないでしょうか。

 

(おわり)

 

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この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: .
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