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息のエネルギーをロスするところ

" アレクサンダー・テクニーク "

2018年9月30日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

先日までのところで、息の圧力(静圧)とスピード(動圧)はトータルで考えると一定のエネルギーと考えられ(全圧)、スピードが増せば圧力が下がり圧力が上がればスピードが落ちる関係にあることを流体力学の理論から確認しました。

 

理論的には肺から出た息はエネルギーを損なうことなく口から出ることになります。

 

ところが同じくらいの量の息を吸って同じフレーズを吹いたり歌ったりしても、息がもつ時と足りなくなる時があって、何が違うのだろう?と思う人は多いと思います。

 

息の量とフレーズの長さは必ずしも対応しません。

 

というのは、実際の空気は通り道で生じる摩擦抵抗(管路の急な拡大または縮小、曲がった構造など)によって、総体のエネルギー量(全圧)自体が減るからです。

 

息の場合には、肺で作った圧力(正確には肋骨が動くことで作った肺内部の気圧ですが)が気道を通って口から出るまでの間でどれだけロスなく行けるかが大切になってきます。

 

まず、肺から甲状軟骨(のどぼとけ)までの息の通り道について。

下の図は胸を輪切りにした解剖図で、おそらく第6または第7胸椎の高さだと思われます。

 

左右にあるのが肺、真ん中の前半分にあるのが心臓です。

 

これより少し上、第5胸椎の高さで左右の肺から出た気管支は合流し、1本の気管になります。

 

こうして見ると気道は椎骨の椎体の直前、胴体の胸の高さあたりのど真ん中から始まっていることが分かります。

 

ここから甲状軟骨まであまり曲げが入らない方が息の流れはスムーズになりそうです。

 

首をすくめたり、頭を極端に前に張り出したりすると息の持ちが悪そうだというのは経験的にも納得がいきます。

 

次に甲状軟骨より上を見てみます。

甲状軟骨から口に至るまで、息は後ろを迂回します。

 

甲状軟骨の上には舌骨があり、舌骨には舌の根本部分の筋肉がついているからです。

 

ここで息の通り道は狭くなり、形が平べったくなります。

 

また、構造が複雑で空気の流れが乱れやすくなります。

 

喉の奥を後ろから見たところ

これはどんなうまい人でも同じです。

 

ホルンの名手、Sarah Willisでも息は1回後ろに行ってから前に行くのです。

 

ただ、その度合いは姿勢の取り方によって変えられます。

 

次回は姿勢と気道の関係について考えます。

 

ところでYoutubeのSarah Willisの頚椎、見事に屈曲してますね。

 

頚椎の生理的弯曲など完全無視です。

 

これがMRIの装置で寝そべってるせいなのか、変なマスクかぶってるせいなのか、それともホルン吹く時いつもこうなのか、興味深いところではあります。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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