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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

チェア・ワークってなに?

" アレクサンダー・テクニーク "

2019年3月17日

1個前のブログでコントラバスの奏法の元祖、シマンドルの体の使い方に関連して「頭と脊椎が一切縮むことなく」という話をしました。

 

>>シマンドルの体の使い方

 

これに関連して多くのアレクサンダー・テクニークの学校でやられているチェア・ワークを思い出しました。

 

多くのと書いたのは必ずしも全ての学校でこれをやるとは限らないからです。

 

アレクサンダー・テクニークと言ってもいろんな潮流があります。

 

どれも頭と脊椎の関係性についてアレクサンダーさんが発見したことに基づくのは同じですが、それをどうやって人に伝えるかが違います。

 

1つは生前アレクサンダーさんがやっていたやり方を踏襲する流れ、もう1つはそれぞれの先生が自分の理解に基づいて教える方法を創意工夫する流れです。

 

前者にはさらに、アレクサンダーさんの晩年の教え方を重視する流れと、アレクサンダーさん自身が若い頃に頭と脊椎の関係性に気づいた時のプロセスを重視する流れがあります。

 

チェア・ワークを多くやるのは前者の学校です。

 

ちなみに僕が教わったのは後者の学校で、そんなにたくさんはやっていません。

 

そういう人間がチェア・ワークについて書くものであることをまずはお断りしておきます。

 

チェア・ワークとは椅子の立ち座りのことです。

 

この簡単な動作を「頭と脊椎が一切縮むことなく」やります。

 

体を起こした状態では常に脊椎が縮む方向に重力がかかります。

 

しかし椎骨の積み重なり方と靭帯や筋膜の張力がうまいこと作用するとそれ自体で身を起こして上に向かうような状態になります。

 

この作用を椅子の立ち座りの動きの中でも起こし続けるのです。

 

普通、座る時は頭から先に落ちてしまいがちになりますが、これだと頭と脊椎が縮んでしまいます。

 

なので足を先に使って胴体の下部(骨盤)がリードして体が下りるようにします。

 

また、立つ時は頭がその場にいたままでは胴体を上げる時に脊椎が渋滞してしまいます。

 

なので頭がリードして脊椎が上についていくようにさせながら立ちます。

 

頭と脊椎の使い方がつかめてきたら、足についても一切縮めることなく動かすように気をつけます。

 

特に股関節、膝、足首の関節をぎゅっと固めることなく立ち座りができるように。

 

この動きで頭と脊椎、そして下肢をカバーしているので多くの学校で今でも採用されているのでしょう。

 

腕や手についてもチェア・ワークとは別の特別なやり方がありますがポイントは同じで、各関節をぎゅっと固めることなく動かすことです。

 

まあ、椅子の立ち座りぐらいなら縮めてようが固めてようが結果には影響しません。

 

でも複雑で難しい動作になればなるほど固めや縮めのあるなしがものを言います。

 

たとえばヨガの難しいポーズはどこか1か所でも固めや縮めがあると最終形までたどり着けないように、うまくデザインされてるようです。

 

動きは連続して長く続けるほど、後の方では選択肢が限られてきます。

 

どこで選択肢を間違ったか省みて最後まで行ける解を探求するうちに心身のコントロールを学ぶのがヨガのシークエンスです。

 

楽器の演奏も似ていると思います。

 

いつも同じところでつっかかるとしたら、そこに至るまでにどこで固めたか、何に反応して縮めたか、それでもどこか動かせるところが体のどこかにないか、そんなことを考えながらいろいろ試してみるのが面白く感じたら素晴らしいです。

 

今月末にヨガ&アレクサンダー・テクニーク教師の道子と夫婦で音楽家向けワークショップをやります。

 

鼻抜けに困っている木管奏者、バテやすい、長く弾くと痛くなる金管楽器や弦楽器の人にぜひ来ていただきたいワークショップです。

 

↓ご案内はこちら↓

音楽家のアレクサンダー・テクニーク 2 Days レッスン会

3月30日(土)9:30~12:30

セッションA:クラリネット・オーボエ・サックス奏者のための鼻抜け相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)

講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)

 

3月31日(日)9:30~12:30

セッションB:音楽家のためのヨガ&アレクサンダー・テクニーク(姿勢でわかること)

講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)

 

3月31日(日)13:30~16:30

セッションC:弦楽器奏者の悩みにこたえる相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)

講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)

 

いずれも場所は、スタジオI-LAB(渋谷区千駄ヶ谷3-21-6 外苑MKビルB1)

参加費(1コマ分)は、通常 7,000円、早割 6,000円(2月中のお振込)

※2コマ分ダブル参加の場合 → 通常 12,500円、早割 10,000円(2月中のお振込)

 

お申し込み、または質問・問い合わせを、お電話(080-5899-5203)またはメール(office@btune-hariq.com)よりお願いいたします。

 

アレクサンダー・テクニーク江古田レッスン会(第4回)

次回は、2019年4月7日(日)15時~17時 定員は6名まで

場所:江古田のbodytune鍼灸マッサージ院内スタジオ

参加費:4,000円

1人20分程度のレッスンを順番に行なって、みんなでシェアします。

申し込み、お問い合わせは080-5899-5203までお電話か、office@btune-hariq.comまでメールください。

または、お問い合わせフォームのページから送信いただいてもけっこうです(>>ご相談・お問い合わせ)。

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: .
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