東京都練馬区の音楽家のための鍼灸とアレクサンダー・テクニーク

アレクサンダー・テクニークに基づいた呼吸の本

" アレクサンダー・テクニーク "

2020年9月29日

リチャード・ブレナン『身体のデザインに合わせた自然な呼吸法 ― アレクサンダー・テクニークで息を調律する ―』(医道の日本社)を読みました。

 

鍼灸専門の出版社である医道の日本が出したアレクサンダー関係の本。

 

鍼灸師でアレクサンダー・テクニーク教師としては読まないわけにはいきません。

 

この本、しかし原題ではアレクサンダー・テクニークという言葉が出てきません。

 

“How to Breathe: Improve Your Breathing for Health, Happiness and Well-Being”です。

 

著者としては純粋に呼吸の本として読んでもらいたかったのかも。

 

ですが中身を読むとインヒビション、ディレクション、セミスーパイン、ウィスパード・アーなどアレクサンダー用語がわりと容赦なく出てきます。

 

著者のいるアイルランド、あるいはイギリスではそれで通じるのかも知れませんね。

 

内容は大きく分けて、呼吸の仕組み(呼吸器のボディ・マッピング的な内容)とその改善法で構成されていて、後者の具体的方法としてアレクサンダー・テクニークが出てきます。

 

アレクサンダー・テクニークを創始したF.M.アレクサンダーという人は「ブリージング・マン(呼吸の人)」とも呼ばれていました。

 

もともと本人が舞台で声が出なくなりそれを解決するために試行錯誤して見い出したのがアレクサンダー・テクニークです。

 

呼吸がうまくできなければ声は出せませんから、必然的に呼吸改善にも精通することになりました。

 

また彼が生きた時代のロンドンは石炭燃料による公害がひどく、スモッグで死者が出るほどでした。

 

史上最悪の大気汚染と言われるロンドンスモッグ(1952年)では1回のスモッグによる影響で12,000人超が死亡しています(≫ ウィキペディアのロンドンスモッグの記事)。

 

彼のもとには慢性の呼吸器疾患をかかえる患者さんが多く紹介されてきたそうです。

 

こういう時代、アレクサンダー・テクニークと呼吸法のイメージはわりと一般的だったのではないかと思います。

 

しかし現代では環境規制によって大気汚染問題はだいぶマシになりました。

 

呼吸のトラブルを理由にレッスンを受けたいという人はだいぶ少数派ではないでしょうか。

 

そもそもアレクサンダー・テクニークはあらゆることに応用可能です。

 

時代時代の顧客に合わせて「なにに効果的か」のテーマは変わっています。

 

声の問題はかつては牧師や政治家など演説する人に多くアピールしましたが拡声器が声を届ける現代では、声楽家が中心になりました。

 

レッスンに健康保険が使える国であれば、腰痛がアレクサンダー・テクニークのイメージかも知れません。

 

日本では緊張・あがりや楽器演奏に役立つものとのイメージが普及していると思います。

 

王道とは言え再び呼吸をテーマにしたアレクサンダー・テクニークの本が書かれたのはなぜか?興味深いところです。

 

この本では呼吸の仕組みが分かりやすくイメージ豊かに書かれています。

 

水彩調のイラストが目にやさしく、ながめるだけで自然と深い呼吸になりそうです。

 

ただセミスーパイン、ウィスパード・アーなどアレクサンダー・テクニーク特有の体の整え方は日本ではそれほどなじみがないでしょうから、それがなんであるのか実際に体験するには誰か先生のもとでレッスンを受けた方がよいと思います。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク. タグ: .
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