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脱力と体軸について考える(2)

" アレクサンダー・テクニーク "

2017年10月20日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

脱力と体軸について考える2回目です。

 

前回は、脱力と体軸は同時に起こる必要があることを書きました。

 

そして、体軸はパワーを出すことではなく、脊椎最深部の筋群が自由に伸び縮みできて筋紡錘からの感覚情報が活用可能な状態であることに触れました。

 

今回は、脊椎最深部の筋群がなぜ軸を作り身体を立たせることに結びつくのか考えてみます。

 コンタクト・タスクの解消と抗重力作用

コンタクト・タスクとは、接触時に力の方向性がぶれて、先端が滑ったりするのをいかに防ぐかということです。

 

京都大学の熊本水頼教授は、ロボット工学やバイオメカニクスの分野で二関節筋をキーワードに研究してこられ、コンタクト・タスクの解消には単関節筋と二関節筋の組み合わせが鍵であると言っています。

 

単関節筋のみのモデルと単関節筋・二関節筋両方を備えたモデルで実際にコンタクト・タスクがどうなるか実験した動画がありますので、まずはご覧ください。

 

6分25秒あたりから模型を使ったデモが始まります。

 

動画≫二関節筋とは

 

 

上の図は、動画に出てきた模型です。

 

青い丸はそれぞれ上が股関節または肩関節、下が膝または肘と見なして、左は単関節筋のみのモデル、右は二関節筋も備えたモデルです(動画でも説明されているとおりです)。

 

左のモデルでは、接触時の力の方向性が定まらず滑ってしまいます。

 

一方で、右のモデルでは、力の方向性が自動的にまとまってうまく止まることができます。

 

動画のモデルは、木とゴムと滑車のみというシンプルな模型ですが、その分、構造とその機能の関係を明白に示してくれるように思います。

 

特筆すべきは、こういった構造、特性の組み合わせであれば、構造それ自体が自動的に模型を立たせられるということです。

 

このデモが何を意味するかというと、人間が地面に接地した際も同じ作用が働いて、瞬時に地面にかかる力の方向性が束ねられて1本になり、滑ったり転んだりせずに立てるということです。

 

しかも、構造それ自体がこうした機能を持つので、神経による調節が不要、つまりこの反応は自動的かつ極めて速いということになります(もっとも、筋肉がある程度のテンションで張っている必要はあるので、その意味での神経の関与は必要、と熊本先生も動画でおっしゃっていますが)。

 

実験自体は、コンタクト・タスクの解消について分かりやすく示したものですが、接地面に上からかかる力の方向性をきれいにまとめることができるということは、それへの反作用としての上への力(抗重力)の方向性もきれいにまとめることができると理解して良いのではないかと考えますがどうなのでしょうか(このあたり、物理にうといハリ弟子にはよく分かりません)?

 

あくまでも勘で言っており、厳密にはもっと証明が必要なのかも知れませんが、コンタクト・タスクの解消とは、抗重力の方向を決定することであるとも言えるのではないかとハリ弟子は考えています。

脊椎の抗重力作用

熊本先生によると、拮抗する単関節筋と二関節筋の組み合わせがコンタクト・タスク解消のために必要とのことでした。

 

ここでもう一度脊椎最深部の筋肉を見てみます。

 

棘間筋は1つ1つの椎骨の棘突起から棘突起をつなぐので単関節筋です。

 

横突間筋も同様に1つ1つの椎骨の横突起から横突起をつなぐので、単関節筋と言えます。

 

回旋筋は、1つ1つの椎骨の横突起から1つ上の椎骨の棘突起へつなぐものと、2つ上の椎骨の棘突起へつなぐものがあり、単関節筋と二関節筋ということになります。

 

一応、役者はそろっています。

 

 

ただ、椎骨は膝や肘と比べて複雑な形をしています。

 

椎骨にこの理屈を応用できるかどうかは、まだ証明がなく分かりません。

 

支点となり得るところは、椎間関節だけで左右に2つ、椎間板の髄核も一種の支点ととらえてしまえば、多様なケースが考えられ、証明は難しいのかも知れません。

 

ですが、脊椎がどのようにして抗重力作用を得て立ち上がるのか考えた時、こういった物理の力がどうしても必要ではないかとハリ弟子は思います。

 

仮に、コンタクト・タスク解消のメカニズム⇒抗重力の方向性決定、としましょう。

 

これが働くためには、あらかじめ、単関節筋/二関節筋のセットがある程度のテンションを持っている必要がありました。

 

おそらく、姿勢の変化にともなってこれら筋群が必要とするテンションは刻々と変化するでしょう。

 

必要なテンションに応じて、脊椎最深部の筋群の張力を微妙に調節する必要があり、そのためには、筋紡錘が筋肉の状態について逐一情報発信している必要があります。

 

そんな時に右の図のような状態だったらどうでしょうか?

 

コップとピンポン玉の脊椎モデル

 

調節のしようがないことはもう明らかでしょう。

 

こうした姿勢を長年にわたって続けていると、脊椎最深部の筋紡錘が感覚情報を発する能力も、脊髄や脳など中枢側がその情報をキャッチする能力も、それを姿勢制御に活用する中枢側神経回路の機能も衰えていくことは想像できます。

 

逆にこうした機能がうまく働いていれば、脊椎最深部の筋群が適切なテンションを持っているだけで、中枢による複雑な制御プログラムがなくても、構造それ自体が物理的に身体を支えるための力を生み出してくれる。

 

ここまでが言えれば、椎骨から椎骨へと連鎖的に抗重力反応が起こって、我々がなんとなく「体軸」と呼んでいるものが実現するところまではもう一歩です。

 

そして、これが上の図の右側のモデルとは相いれないものだとすると、こうした機能がうまく働いていれば、俗にいう「脱力」はすでに実現されており、脱力がうまくできているのだとすれば、手足はその人が本来やりたいことのためにより有効に使うことができ、呼吸も楽になり、今までできなかったことができるようになっていく、、、アレクサンダー・テクニークのレッスンで日々目撃されていることにつながっていきます。

 

お気づきのように科学的証明がところどころ抜けていて、ハリ弟子の勘でつなぎ合わせているところも多々あります。

 

将来、新しい発見がなされれば、また考えも変わっていくことでしょう。

 

あくまでも、現時点でハリ弟子が吸収し得た理論、科学的事実、体験の裏付けのあるものを総合的に考察した結果の最前線の理解です。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

カテゴリー: アレクサンダー・テクニーク.
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