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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

押弦について

" コントラバス "

2017年5月3日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

このところコントラバスの話題が続いております。

 

今日は押弦について考えてみます。

まずはこの動画をご覧ください。ニッケルハルパというスウェーデンの民族楽器だそうです。

 

友人のブログで紹介されていて、ハリ弟子も初めて知りました。

指板がなく、木片を弦に当てて音程を変えています。

 

 

これを見て考えてしまいました。

ハリ弟子は今まで弦を指板に押さえつけることで音程が変わると思っていたからです。

 

もしかしたら弦が指板に当たるまで押さなくても音程が取れるのでは?

こんな疑問が起こり、早速やってみました。

 

g-str

G線上でFの音のところにメジャーを合わせます。

g-str-f

Fの音程を取るのに割りばしをどのくらい押す必要があるか測定。

 
測ったのは、G線とE線で、第6ポジションの1の指の位置と、ハーフポジションの1の指の位置です。それぞれ実音だと、FとG、AsとFになります。
 
弦を割りばしで押しながら弓を動かして音を出し(音量はピアノで)、音程が取れるまでにどのくらい押したかを目盛りで確認します。これを何回かやって平均を取りました。
 
結果、第6ポジションの1の指でだいたい2~3ミリ、ハーフポジションの1の指で1ミリくらい押し込むと音程が取れることが分かりました。
 
この楽器の弦高は、第6ポジションの1の指でG線5.5ミリ、E線7ミリ、ハーフポジションの1の指でG線、E線とも約1.5ミリです。
 
ということは、コントラバスでも弦を浮かした状態で音程が取れそうな気がしてきます。
 
期待に胸をふくらませて、今度は指で普通に弾きます。
試しにG線上のF。2~3ミリ押したところで音が変わ・・・らない。
 
あれえ?
かなり指板近くまで押し込まないとFが鳴ってくれませんでした(泣)。
 
そもそも、固い割りばしのようなもので押した時と柔らかい指で押した時で同じにはならないようです。
 
とは言いつつ、やはり指板に弦がつく少し手前のところで音程が取れることは分かりました。
 
ハリ弟子も左手がつるくらいに力が入ってしまうのですが、そういう人にとって、この事実は心強いです。
あくまでピアノの音量なので、フォルテの場合はやはり指板に弦を密着させている必要があると思いますが、それでも必要な「だけ」の力がどのくらいか考えるいい材料です。
 
仮にフォルテで音程を取るのに3キロの力が必要として、初めから5キロで押さえていたら、必要な「だけ」というのが分かりません。とにかく常に強く押さえ続けることになり、指を痛める原因になりかねません。
 
また、弦を少しずつ押していくと、指板につかずにFの音程が取れ始めるところ、弦の振動が指板に触れてジリジリ言い出すところ、弦のわきの指の肉が指板に触れるところ、指が指板に密着するところ、それぞれで音色や響きが微妙に変わっていきます。その間、距離にしておよそ1ミリあるかないかの微妙な調節幅です。
 
バイオリンとビオラ両方弾く人は、左手の指を立てたり寝かせたりして、楽器ごとのらしい音色を作ると聞いたことがあります。コントラバスも、指板~弦~指の関係性をいろいろ変えて試してみると、音色の変化とか、表現の可能性が拡がるかも知れません。
 
ところで、この測定、けっこう大変でした。
椅子に立てかけた楽器にメジャーを貼り付け、斜めの体勢で割りばしを推しつつ弓を動かすという、まぬけなかっこうな上に重労働、D線とA線は隣の弦がじゃまして割りばしで押すのが大変過ぎてあきらめました。
かつそのわりに指で押弦する際の参考にはあまりならず、、、二度とやらないと心に誓ったハリ弟子でした。
この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

カテゴリー: コントラバス.
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