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アンブシュア・ディストニアのリハビリ方法(Jan Kagariceの手法)

" ディストニア "

2018年11月10日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

米国にヤン・カガリス(Jan Kagarice)というアンブシュア・ディストニアの専門家がいます。

 

以前このブログでも取り上げたフィリップ・スミスのディストニアからのリハビリをサポートした人です(>>フィリップ・スミスがディストニアの体験を話す)。

 

彼女はもともとプロフェッショナルのトロンボーン奏者で、現在は教育活動に専念しているようです。

 

ハリ弟子のところにもディストニアの方がいらっしゃるので、彼女のリハビリの手法を知りたいとずっと思っていました。

 

いろいろ探す中(彼女のホームページにはあまり情報がない)、お弟子さんが書いた教育学の博士論文をだいぶ前に見つけました。

 

>>Finding the balance: Jan Kagarice, a case study of a master trombone teacher

 

なにしろ300ページを超える論文だし教育分野のものなので欲しい情報はあまりないと思って長いことほったらかしでしたが、注意深く読んでみるとちょこちょことアンブシュア・ディストニアのリハビリらしきことが書いてありります。

 

それによると、考えることの優先順位はまず奏でられるべき音楽その音楽にふさわしい音その音にふさわしい息の流れということのようです。

 

体のことに関しては息の流れと音を判断するための耳を重要視するだけでそれ以外はほとんど触れません。

 

ディストニアは「随意運動の上におっかぶせられた不随意な筋肉のけいれん」ということで不随意の筋肉の作用を引き起こすあらゆる要素を避けて音楽に必要不可欠なものだけからスタートする発想と理解しました。

 

そのためにカガリスはストローに息を吹き込むところから始めます。

 

これは単に息を吐く練習ではなく、具体的な曲を頭でイメージしながらそれにふさわしい息をストローに流すものです。

 

音は鳴らないのですが、息の流れで音楽を表現するところが大切です。

 

この過程で演奏と関係のない体の緊張が見られたら、1つ1つ根気強く除いていきます。

 

時には生徒の顔に直接触れて表情筋をランダムに動かしながら、息は息で無関係に出し続けるようなこともあるようです。

 

顔の筋肉がどうなっていても音楽にふさわしく息は流し続けられることを混乱とともに体験して学ぶ意図のように思われます。

こうしたプロセスをマウスピースで、バズィングで、楽器につけて、実際に音を出して、と進めますが、このすべての過程で一貫して大事にするのは奏でられるべき音楽その音楽にふさわしい音その音にふさわしい息の流れで、アンブシュアやタンギングのような細かいスキルにはほぼ触れません。

 

細かい技術論にはあまりかかわらずに、とにかくゴール志向で表現したい音楽が頭に浮かんだら、それに必要な技術一式が最初から統合されたものとして体が自動的に動く、そういうものを目指した手法に見えます。

 

興味深いのは、彼女はなにもアンブシュア・ディストニアの人に特有のプログラムとしてこれを用意してるのではなく、彼女のもとに来た生徒には皆同じような教え方をしていることです。

 

論文中には何人かの生徒さんの実際のレッスンの様子が録音書き起こしで記録されていますが、その中にはディストニアと思われる人もいればそうではない人もいます。

 

でもやっていることには変わりがないのです。

 

ディストニアのリハビリとか関係なく、レッスンする上での哲学というか、とても示唆に富む興味深い話でした。

 

カガリスのホームページはこちらです(>>Musician’s Wellness of North America)。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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