東京都練馬区の音楽家のための鍼灸とアレクサンダー・テクニーク

整動鍼とアレクサンダー・テクニークの相乗効果(1)

" ディストニア "

2020年1月6日

昨年の9月から月1回のペースでアンブシュアに不調のあるTuba奏者の方がいらしています。

 

病院では口唇のフォーカル・ディストニア疑いと診断されたそうで、症状が始まってからすでに数年です。

 

鍼灸(整動鍼)とアレクサンダー・テクニークの合わせ技で取り組んで約半年がたちました。

 

状況は少しずつ改善しており、今回はその経過報告です。

 

(前回の記事はこちら >>Tuba奏者のタンギング不調と整動鍼のツボ

 

整動鍼とは文字通り「動きを整える鍼」の手法のことです。

 

最大の特徴は筋肉のこりをピンポイントで解除できること。

 

筋肉は過剰な収縮(こり)があるとその能力を十分に発揮できません。

 

例えばゴムは伸ばすと縮む性質があるので利用価値があります。

 

硬くなって伸びなくなったゴムはもはや縮むことができず使えません。

 

同様に筋肉も最初から縮んでいたらその役割を果たせません。

 

整動鍼のツボはこり(過剰な収縮)を解除して、筋肉の伸び縮みが調節可能な状態に戻します。

 

そうすることで動かなかったところが動くようになり症状を緩和するのですね。

 

アレクサンダー・テクニークも動きを良くするメソードです。

 

緊張などで関節をぎゅっと固めて動きを妨げていることに自分で気づいて自分でやめていき、代わりにやるべきことを明確に意識化します。

 

動きの再教育をするのですが、レッスンを受けたからと言って必ずすぐに満足な成果があるとは限りません。

 

あくまでも生徒さん自身が「自分で」動きの妨げに気づいて「自分で」それをやめて、代わりにやるべきことを「自分で」腑に落ちたこととしてやるものだからです。

 

そうなるようにレッスンできるかどうかはアレクサンダー教師の力量が問われるところですが、「自分で」やるものである以上、結局は生徒さん次第の部分が残ります。

 

例えば指を痛めたピアニストがいたとして、指の問題を解決するためには腕の使い方を変える必要があり、腕の使い方を変えるためには胴体の姿勢を変える必要があり、胴体の姿勢を変えるためには椅子への座り方に問題がある場合、厳し目のアレクサンダー教師ならピアニストを立たせて座るところからやり直します。

 

初回のレッスンは座るだけで終わるでしょう。

 

もちろん指と椅子の関係について説明を試みますが、理解されないかも知れません。

 

それでもそこに意味を見出す人なら、これまでの椅子の座り方とレッスンでの座り方の違いについて自発的にあれこれと思考をめぐらせます。

 

でもそんなに「自分で」探求するメソードはあまりに禁欲的で万人向けとは言えないですよね。

 

そういう時、整動鍼を使って体を動きやすいコンディションに調整してからアレクサンダーのレッスンに入ると、「自分で」やっていたらもっと時間と努力を要する部分を飛び越して、本人が気になっている、やりたい部分に最初から取り組むことができます。

 

これにはもちろん賛否があるでしょう。

 

僕は今のところ、患者さん(または生徒さん)が望むものはできるだけシンプルに実現できたらいいと考えています。

 

音楽家であれば音楽を奏でることが本来のお仕事です。

 

それを成り立たせるコンディションの調整や体の使い方は、それ専門のプロが手っ取り早く提供できるならそれに越したことはありません。

 

長くなってしまったので今日はこの辺で。

 

Tuba奏者の経過報告は次回に続きます。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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