東京都練馬区の音楽家のための鍼灸とアレクサンダー・テクニーク

鍼とアンブシュア・モーションを組み合わせて金管奏者の不調脱却をはかる

" 管楽器奏者のアンブシュア不調 "

2020年9月2日

金管楽器のアンブシュア不調(ゆれ、ふるえ、息漏れなど)に付随して比較的多く見られることに、マウスピースと顔の相対的位置関係が変化しないことがあります。

 

高音域、中音域、低音域どこを吹いても楽器と顔が一定の角度、位置関係を保ったまま動かないように見えるのです(これと裏腹に口元や頬にはゆれやふるえが起こります)。

 

こうしたケースで症状が改善してくると、アンブシュア・モーションと呼ばれる動きが出てくることがよくあります。

 

アンブシュア・モーションとは金管楽器の奏法において「音域を変わる時、奏者は、歯に沿ってマウスピースと唇を一緒に上か下のどちらかにスライドさせる」≫ バジルさんのブログ記事「金管楽器のアンブシュア動作」より)必要があるとする考え方です。

 

先日、ユーフォニアム奏者の尾原先生が分かりやすい、図解入りのツイートをしてくださいました。

もともとはドナルド・ラインハルトという米国のトロンボーン奏者が長年にわたり観察、試行、検証した結果見い出した理論です。

 

金管楽器の奏法はまだよく分からないことが多くこれも経験則に過ぎないと言われればそれまでですし、不調の原因は全部これ!という話でもありません。

 

それでも上述のとおり不調が直るにつれてこの動きが勝手に表れたり、不調でなくてもこの理論に沿って新しい動きを提案すると出せなかった音が出せるようになったりということをこれまでにも多く見てきたので、僕はこれを重視して実際に使っています。

 

さて先日のこと。

 

あるアンブシュア不調の方への何回目かの施術・レッスンでのことでした。

 

僕のところでは鍼で緊張をやわらげて動ける体の状態にしてからアレクサンダー・テクニークで新しい動き方の提案をして改善につなげていくことが多く、そういうときは施術・レッスンをひとつながりにおこないます。

 

この方も最初はほとんどアンブシュアの動きが見られなかったのですが、高い音のときは楽器が上方向へ、低い音のときは楽器が下方向へ、というぐあいに一貫性のある動きが少しずつ見えてきました。

 

そこで吹いてもらいながら僕が楽器を持って少しだけ動きを誇張。

 

動きが大きくなるとそのぶん口の端から息漏れしやすくなるので常時マウスピースを唇に密着させておくために「マウスパイプの方向が常に自分の中心に向かってくるように」とお願いしておきます。

 

今回もやはり音、アンブシュアの機能、ともに改善しました。

 

動きを誇張したと言ってもオクターブでせいぜい1~2mmの動きです。

 

でも本人の感覚的には「思ったより大きくてこれより先は無理ってところまで動かされた」とのこと。

 

僕にとっては嬉しいフィードバックで、他人が目で見た動きの幅と本人が感じる動きの幅が全然別物であることが分かりました。

 

この場合はもっと大げさに動かすよう言った方が伝わりやすかったかも知れません。

 

ゆれやふるえが本当に大きいときは動きに気をつけるどころではありませんし、また楽器が大きい場合(ユーフォニアム、チューバ、トロンボーンの遠いポジションなど)はアンブシュア・モーションのために顔を動かす必要があったりします。

 

そんなときにはゆれやふるえを鎮めたり、顔や首の動きをさまたげる体の他の部分の緊張を取るために鍼を使います。

 

このように施術とレッスンを組み合わせることで効率よく再現性をもって不調からの改善ができているように思います。

 

実際、月に1~2回程度の来院で自分でも気をつけて自宅練習することでぐんぐん良くなっていく方もいらっしゃいますので。

 

今までの経験的、感覚的な印象では、アンブシュア・モーションが安定して一貫して見られるようになってきたら改善の方向性は間違っていない、あとは時間の問題という気がしています。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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