東京都練馬区の音楽家のための鍼灸とアレクサンダー・テクニーク

金管楽器のアンブシュア、タンギング不調の調整方法(1)

" 管楽器奏者のアンブシュア不調 "

2020年10月29日

管楽器奏者のアンブシュアやタンギング不調をどう調整するかはなかなか難しい問題です。

 

アンブシュアに関わる表情筋は皮筋であるため骨格を動かす筋肉と比べてとらえどころがないですし、また舌のように顔面頭蓋の内側にある筋肉は実際になにが起こっているのか観察困難だからです。

 

薬であれ整体の手技であれ鍼灸であれ、決め手に欠けるのが実状でしょう。

 

当院は音楽家を専門として比較的多くの症例を見てきたと思います。

 

そうした中で特に金管楽器については何を確認して調整すべきか見えてきたものがあるので、備忘録的に書いてみます。

 

なお施術方法は鍼、それも整動鍼のツボを使っていることが前提です。

大きな筋肉の張力バランスで調整する

アンブシュアというと口輪筋、頬骨筋、笑筋などの表情筋がまず気になります。

 

僕もこういったところに鍼をして電気をかけていたこともあります。

 

しかし皮筋の作用は相互に付着する別のもっと大きな筋肉のテンションの影響が大きいように見えたのでやめました。

 

今は咀嚼筋など骨格を動かす大きな筋肉が過度に緊張しているとそれらで担うべき動き、発生させるべき張力が発揮されず、その代わりに皮筋の負担が増すと考えています。

 

咀嚼筋の調整は整動鍼『脊柱編』のツボでできます。

 

またタンギングに関わる舌は一部が下顎骨に付着していますが基本的には引っ張られて浮いているような構造です。

 

舌は舌骨に乗っかっているところもありますが舌骨自体が浮遊骨格なので、結局は首の前側の筋肉のテンションに大きく影響されます。

 

つまり舌の問題は舌そのものよりも舌を取り巻く動作環境に着目すべきと言えます。

 

廉泉(れんせん)などのツボを使っても一定の効果はありますがそれは舌そのものに対するもので、動作環境の方はこれだけでは変わらないのですね。

 

ここでもやはり骨どうしをつなぐ大きな筋肉を調整するのが効果的と考えていて、下顎骨や側頭骨から胸骨や鎖骨に付着する筋肉の状態を見てツボを選ぶようにしています。

 

これらの筋肉を調整するには整動鍼『腹背編』に有用なツボが多くあります。

 

アンブシュアも舌も特に気をつけているのは左右差です。

 

筋肉の緊張度合いに著しい左右差があってツボでそれを調整できた場合、かなりの確率で吹奏感が良い方に変わります。

 

ふんばりが効かず息が漏れていたのがもっとパワーをかけられるようになったり、高音の音域が拡がったり、軽いけど確実な感覚をもってタンギングできるようになったりします。

 

ここまでは口まわりや舌という問題発生個所に対するアプローチでした。

 

とはいえ整動鍼のツボは遠隔の手足や背中にあるので顔や首・喉には鍼をしません。

 

次回は問題発生個所以外へのアプローチについてです。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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