東京都練馬区の音楽家のための鍼灸とアレクサンダー・テクニーク

金管楽器のアンブシュア、タンギング不調の調整方法(2)

" 管楽器奏者のアンブシュア不調 "

2020年10月31日

口まわり(アンブシュア)や舌という問題発生個所以外で見るべきところは胴体です。

 

アンブシュアに関しては特に脊椎の動きを調整する必要があります。

 

そのためには金管楽器の奏法(アンブシュアモーション)理解が役立ちます。

 

なのでアンブシュアモーションについて先に書きます。

アンブシュアモーションについて

米国の金管楽器奏法の研究で、金管楽器は吹く音の高低に合わせてマウスピースを上または下に動かす必要があると考えられており、この動きをアンブシュアモーションといいます。

 

詳細はアレクサンダー・テクニーク教師でホルン奏者のバジルさんのブログに書かれているとおりです(≫ 金管楽器のアンブシュア動作)。

 

超ざっくりまとめてしまうと金管奏者は、

 

音域が高音になるとマウスピースが上/低音でマウスピースが下に動く人、

 

音域が高音になるとマウスピースが下/低音でマウスピースが上に動く人

 

の2つに大別されるという話です。

 

実際には左右の動きが混ざるので、斜め上/斜め下の組み合わせになることがほとんどです(真上/真下に動くことはほぼないと考えてよい)。

 

マウスピースは理想的には一直線上を動くのが良く、そうすると左斜め上/右斜め下、または右斜め上/左斜め下のどちらかの組み合わせになります。

 

これを音域の高低とかけ合わせたのが以下の4タイプです。

 

高音:左斜め上/低音:右斜め下

高音:右斜め上/低音:左斜め下

高音:左斜め下/低音:右斜め上

高音:右斜め下/低音:左斜め上

(理屈上は正中線上で高音:真上/低音:真下、高音:真下/低音:真上もありうるがかなりの希少例と考えられる)

 

こうした分類にはもちろん批判や反論もあります。

 

しかしアンブシュアモーションは理念的に考えた出されたものではなく、多くの奏者の吹き方を見ての観察から導き出された法則です。

 

実臨床上でもその有効性がよく確かめられるので、僕はこれに基づいて症状を観察し施術を組み立てています。

脊椎の動きを見る

上では、頭が不動でマウスピースが動くものとしてアンブシュアモーションを説明しました。

 

逆に頭を動かすことでもマウスピースとの関係性を変え、結果的にアンブシュアモーションを実現することができます。

 

チューバのように楽器が大きくて動かしづらい場合には特にこれが当てはまります。

 

また見栄えの関係でベルの高さをそろえなければならないとか、マイクの位置に合わせて楽器をあまり動かせない現場など、頭を動かすことでアンブシュアモーションを作ることはよくあります。

 

頭を動かすと必然的に脊椎が動かないと姿勢のバランスが取れません。

 

脊椎の動きが悪く、楽器も動かさなければ、アンブシュアモーションは十分に発揮できません。

 

また座位ではお尻が座面より下に行けないのが制約となって、脊椎のどこかで動きの渋滞が起こりがちです。

 

これを逃がすには股関節の動きが必要ですが、股関節が動かないとやはりアンブシュアモーションが不十分になります。

 

最初は音が当たりづらいくらいな感覚ですが、その原因がまさか脊椎や股関節とは思わないのでアンブシュアを変えることで直そうとし、かえって問題を複雑にしてしまいます。

 

経験的には動きが渋滞するのは胸腰移行部あたりが多いと感じます。

 

この辺りの脊椎と関係する動きを確認し、左右差が著しい、本人がやりづらさを感じる、また背中の緊張部位を確認してツボを選びます。

 

このとき使うツボは整動鍼『脊柱編』で学べるものばかりです。

 

興味深いことに整動鍼の連動理論でも脊椎と股関節には関係があり、それは動きが渋滞するところとだいたい一致します。

 

そしてそのとおりにツボを選ぶとアンブシュアが一貫性ある動きに変化し、症状も改善する場面をよく見るのです。

 

体にはまだ知られていない法則性があると感じる瞬間です。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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