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コントラバス左手の指に関する解剖学的考察

" 旧bodytuneブログの記事 "

2013年11月18日

(こちらの記事は、2016年11月まで運用していた旧bodytuneサイトのブログ記事を転載したものです)

 

前回の記事のポイントは、可能な限り指から余計な力を抜くことでした。指が力んでいると何故良くないのでしょう。

 

一つは、弦ないし指板面に対して、指が馴染みにくくなることがあげられます。力を抜いた状態の時、指には回転する能力があります。自分の意思で回そうとしても無理ですが、もう片方の手で回してあげると意外と可動性があることに気づきます。この動きの余地があることで、押弦する時やシフトする時に指が指板面にしっかりと着いてくれます。対象に対して自分の形を押し付けるのではなく、逆に受け入れて馴染むことで、よりしっかりと密着する。これにより、あまり力を入れていないのにクリアで音程感のある音が得られます。

 

 

指に力を入れた状態で回そうとしてもこの可動性は得られません。なので、力んだ状態で押弦すると、少しでもポイントがずれると音程も音質も残念なことになります。そして、それを修正するためにさらにグリグリずらしたり、もっと強い力で押さえ込もうとしたりして、悪循環にはまります。

 

指が力むことの悪影響、もう一つは手首が固まってしまうことです。

 

手首が固まっていると、シフティングで音を上下させる時に指板に沿って円滑に手を動かすことができません。しかし、手首の力を抜いて!と言うのも人によっては効果がないこともあります。何故なら、手首そのものには筋肉がなく、解剖学的に手首に力を入れたり抜いたりするのは不可能だからです。これを言ってしまうと、関節は全てそうだということになるのですが、手首にあるのは指や掌につながる腱です。腱は、丈夫なワイヤーのようなもので、それ自身は収縮することはありません。収縮するのは前腕にある筋肉です。ここの筋肉が収縮することで、腱というワイヤーを引っ張り、さらにその先に着いている指を曲げ伸ばししています。手首が固まるのは、これら指に付いている複数のワイヤーを(実際には手根に付くワイヤーもそれに加わって)前腕にある筋肉が同時に引っ張り、力が拮抗した時に起こります。

 

試しに握りこぶしを作って手首を手の平の側に曲げると前腕の根元の肘の内側に近いところの筋肉が盛り上がります。逆に指を伸ばして手のひらを反らしてみると、さっきとちょうど反対側の前腕の根元の肘側のところの筋肉が盛り上がります。では手を硬直させてどちらの側にも動かないように固めてみるとどうなるか。両方の筋肉が固くなります。指が力むとこの状態を作りやすいのです。

 

(『グレイの解剖学』より前腕の筋 左:手の甲側 右:手の平側)

 

指に入れるのは必要かつ充分な量の力で、しかも拮抗する力はなるべく入れない方がいいと考えられます。つまり、押弦には指を屈曲させる筋肉だけを使い、押さなくてよい指は屈曲を解除するだけにするといった具合です。ただし、速い運指の際には、積極的に指を上げる(指の伸筋)方が良い場合もあるので、実際にはタイミングの問題も相当あるでしょう。

 

手首の自由な可動性があって、かつ押弦や運指をするのに適切な力の量、適切な筋肉、適切なタイミング、練習していてうまく行かない時はこうしたことを1つ1つチェックすることも役に立つと思います。

この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

カテゴリー: 旧bodytuneブログの記事.
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