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演奏家の指の不調は手首から背骨にかけての筋張力バランスをみる

" 指の不調 "

2019年11月7日

 

整動鍼という鍼の手法を取り入れてから、アレクサンダー・テクニークと鍼それぞれに得意なこと、またその限界について自分の中で整理されてきました。

 

中でも演奏家の指の不調に取り組むことで見えてきたことがあり、今日はそれについて書いてみます。

 

事例にあげているのはいずれもプロの演奏家、症状は違和感がある程度から病院でフォーカル・ディストニアと診断されたケースまで、症状のある期間もごく最近から数年までさまざまです。

 

事例1 運指に違和感があるオーボエ奏者

主訴:仕事が立て込んでる関係から疲労が抜け切らず右手指の運指に若干の違和感がある。今すぐ演奏に支障はないが、放置しておくとトラブルになりそうなので症状が軽いうちに調整しておきたい。

施術:整動鍼の腕のツボ1か所で、ほぼ完全に症状が消失。

 

事例2 指のフォーカル・ディストニアのピアノ奏者

主訴:1年前から右手全体にこわばった感じがして演奏に支障が出てきた。病院でフォーカル・ディストニアと診断。

施術:整動鍼の腕のツボでかなり症状(こわばった感じ)が軽減。他に肩や背中のツボも使用した。また椅子を後ろに引いて高さを上げて弾いてみたら、そのときは違和感が消失した。

 

事例3 速い運指で手指の押さえが効かなくなるサックス奏者

主訴:数年前から左手の指が浮くような感じがして、ときに震えが出て思いどおりの運指が困難になった。

施術:整動鍼の腕と肩のツボで症状(指が浮く感じ)がかなり軽減し、しっかりとおさえられるようになった。

 

整動鍼の理論では筋肉のどこかに過収縮があると、そこに引っ張られる形で動きが妨害され、さまざまな不都合が生じると考えます。

 

この収縮がいわゆる「こり」です。

 

赤いお団子がこりだとして、その位置によって引っ張りの中心が変わります(赤線は体幹から指先までの筋肉の連なりを模式的に表したもの)。

 

同じ動作をするにも右と左では体の使い方は同じになりません。

 

こりやすい場所はその人の体の使い方の癖を反映すると言ってもよいでしょう。

 

こりは動きのために必要でもありますが、あまりに強く引っ張るとかえって動きを阻害します。

 

思うように動かなくなったり痛みを生じたりします。

 

このような体の状態を仮に「動作環境」と呼ぶことにします。

 

脳から筋肉に伝えられる運動プログラムは、適当にアバウトで、動作環境が多少変化しても十分にうまく機能してくれます。

 

ちょっと今日は疲れたな、くらいでは問題になりません。

 

でもどうやら無限に対応できるわけでもないらしい、と思うわけです。

 

不調になったきっかけを聞いてみると、休みなくきつい本番が続いたとか、ものすごく緊張する本番があったとか、あるいは仕事や人間関係の悩みで、一定期間心身にストレスがかかっていたということが多いです。

 

筋肉が度を越した収縮を起こしやすい状態があったと想像されます。

 

仮に動作環境の問題だけであれば、鍼でこりをキャンセルすることで意外なほどあっさりと改善する事例があるのも理解できます。

 

運動プログラムがよりよく機能できる環境に戻ったのです。

 

指の不調であれば主に診るところは脊椎から鎖骨・肩甲骨を介して手首まで。

 

このエリアにあるこりからキャンセルすべきものを絞り込めばかなりの確率で指の動きが改善します(ただし上半身の動作環境を作る大元がさらに脚などにあることも多く結局は全身を診ます)。

 

また事例2のように椅子の位置を変えることで演奏姿勢が変わり、症状が改善することもあります。

 

姿勢が変わることで各筋肉の張力バランスが変わります。

 

その結果、動作環境が(少なくともその時点では)運動プログラムが機能し得る状態になったと考えられます。

 

ところで、こりを生む筋肉の収縮は無意識に起こることではありますが、脳からの指令を受けている点は意識的な運動と変わりありません。

 

つまり、無意識だけど自分でやっちゃってることなんですね。

 

癖と言いかえてもいいかも知れません。

 

アレクサンダー・テクニークでは、筋感覚を繊細に感じとることで体の状態を知り、癖でやってることを意識の上にのぼらせます。

 

そこからさらに癖や緊張、つまり不必要な筋収縮を起こす元になっている自分の思考に気づいていきます。

 

ここまで来たら、思考を意図的に選び直すことで、動作環境を間接的にコントロールできるようになります。

 

ただやはり技術なので身につけるためには一定期間のレッスンが必要です。

 

これに対して鍼の効果は実にインスタントです。

 

こう考えてみると鍼が効果的であるためには、その人がやっている奏法(運動プログラム)が機能し得るものである前提が必要と見えてくると思います。

 

ではそもそも奏法に問題がある場合はどうなのか、次回はこの点について書こうと思います。

 

>>次回のブログ「ディストニアもどきと真のディストニア」

 

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この記事を書いた人

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。

鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。

 

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