鍼灸が初めての方へ
当院は鍼灸(しんきゅう)やマッサージでお身体の痛みや不調を治されたい方のための治療院です。このページでは、特に鍼灸について初めて受けられる方のために説明させていただきます。
鍼灸とは

鍼灸は中国が発祥
鍼やもぐさを使って病気を治す技術で、その始まりは約二千年前の中国にさかのぼります。「鍼」という漢字は見慣れませんが「はり」または「しん」と読みます。なので鍼灸と書いて「しんきゅう」または「はりきゅう」と読みます。針灸と書いても同じ意味ですが、日本では慣例的に鍼灸治療で使われる針には「鍼」の字を用いて、その他の針は「針」の字を用いて区別しています。
鍼は痛いの?

1番上がつまようじ、2番目がシャーペンの芯(0.5mm)、3番目が鍼(0.14mm)
鍼(針)というと注射針を想像して痛い、怖いと思われるのではないでしょうか。しかし一般に採血の針が直径0.7mmあるのに対し、鍼灸の鍼は直径0.25mm以下です。実際にご覧になるとその細さに驚かれます。現在当院では直径0.14~0.2mmの鍼をお身体の部位や症状に合わせて使い分けています。髪の毛なみに細くやわらかい金属を職人的な技術をもって刺入しますのでほぼ無痛です。何か感じたとしても皮膚を通る際に一瞬チクっとする程度ですので思われているほど痛くは感じられないと思います。
お灸は熱いの?やけどしないの?

もぐさの原料のよもぎ、天然のハーブです
かつて結核の治療法がなかった時代にお灸であえてやけどを作る治療があったためか、お灸は熱いもの、やけどさせられるもの(転じておしおきなど)というイメージがあります。実はお灸にはさまざまな種類があり、米粒よりも小さく形を整えたもぐさをツボの上で直接燃焼させる透熱灸(とうねつきゅう)や透熱灸の火を途中で消し止める知熱灸(ちねつきゅう)が現在では主流です。極小のもぐさを使いますので熱感を感じるのはほんの一瞬でやけどにもなりません。また、もぐさを棒状につき固めたものをお肌にかざして温めるタイプもあり、こちらは直接身体に触れませんのでやけどの心配なくじんわりと温まります。
何に効くの?
鍼灸の効果は幅広くいろいろな症状に対応することができます(詳しくはこちらのページをご覧ください≫適応症状)。的確にとらえたツボに鍼やお灸で適切な刺激を加えると自律神経系が作用し、緊張して固くなっていた身体にはリラックス効果を、ゆるみすぎていた身体には適度な張りをもたらします。その結果、治療後には「楽になった」「身体がフィットした」という感覚になります。
鍼って危なくないの?
鍼灸師は解剖学の専門教育を受けていますので、鍼を刺すところの内部に何があるのか十分に知ったうえで施術しています。危険なところにむやみやたらと深く刺すことはありません。中にはリスクをともなう手技もありますが、まったく練習なしに患者さまに施術することはありません。まずは自分で自分に刺してみたり、鍼灸師どうしで練習を積んで十分にできるようになってから実際の治療にあたります。
鍼で感染しないの?
当院では鍼は使い捨てです。鍼のメーカーで滅菌工程をへて1本1本個別包装されたものを使用直前に開封します。1度使用した鍼を別の人に刺すことは絶対にありませんので、感染の心配はありません。
いつ受けるのがいいの?
症状が出ているときでも、落ち着いているときでも、どちらでも受診いただいて大丈夫です。実際問題として、あまりに痛みがひどいときには外出すら無理でしょうから、そのような場合には往診のご相談にも応じます。お話をうかがいながら、病態を特定して治療いたします。
もともと鍼灸は病気を未然に防ぐことを得意としています。症状がなくても予防目的で定期的に通われる方もいらっしゃいます。症状が強く表れていなくても、身体がだるい、疲れが取れない、そういえば最近寝つきが悪いといった状態であれば、鍼灸を受けていただくのに早すぎることはありません。なるべく早い段階での治療がおすすめです。