委中と陰谷が同じ場所とはこれいかに?
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
こんにちは!ハリ弟子です。
先日、とある鍼灸師の研修会に参加して腰痛のデモ治療を拝見しました。
腰痛と言えば、たいがい、委中(いちゅう)というツボがあがります。
中国の古い文献にも「腰背、委中に求む」とあり、鍼灸師なら誰でも知っています。
しかし、デモをしてくれた先生は陰谷(いんこく)を使っていました。
ただし、普通の陰谷ではありません。
普通の陰谷は、膝窩横紋(膝の裏のしわが作る線)上で半腱様筋腱の縁、または膝窩横紋上で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間に取ります。
この時の陰谷は、それよりも膝の中寄りで少し下でした。
実は、まったく別の研修会で今回の陰谷と同じ場所を委中として紹介されたことがあります。
普通の委中は、膝窩横紋上の真ん中の点ですが、この時の先生は、それよりも膝の外寄り少し下で硬くなっているところを委中と説明していました。
別々の研修会でのことで、まったく同じ場所か確証がありませんが、ほぼ同じ場所に見えました。
同じ(に見える)場所を別々のツボに捉えていても、それぞれに優れた治療効果を上がられているので、ツボの捉え方は大いに文脈に依存していて構わないということかと思います。
この場所を陰谷と捉える先生は、古典の解釈として自経補瀉説を採っていて、肝の虚を補うために同じ肝の経絡上にある曲泉(きょくせん)を使うでしょう。
これが逆に他経補瀉説を採っていると、肝の虚を補うために肝の母に当たる腎の経絡上にある陰谷を使わなければなりません。
しかし、陰谷の場所があちこち動くのは治療体系の一貫性からは好ましくないわけです。
このような場合にはむしろ委中をずらしてしまった方が、治療理論への影響が少なくて済みます。
もちろん、新しいツボを作って、別の名前を付ける手もありますが、みんなでそれをやると煩雑になり過ぎてとても覚えられません。
現在のツボの数は300~400程度ですが、ある程度みんなで共通のものを持っていて、細かい場所や使い方は相手のバックグラウンドなど文脈に応じて読み替えていくのが現実的な気がします。
あまりこの辺り真面目になり過ぎず、自分の定義を保留しながら相手の定義を推察していくと、自分の思考も鍛えられますし、自分では思いつかなかった別体系の治療理論の要点が見えてきて面白いです。
そんな刺激をいただいた研修会でした。
音楽家のアレクサンダー・テクニーク 2Days レッスン会(第2回)
6月29日(土)9:30~12:30
セッションA:木管&金管奏者の悩みに応える相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
6月29日(土)13:30~16:30
セッションB:音楽家のためのヨガ&アレクサンダー・テクニーク(姿勢でわかること)
講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)
6月30日(日)9:30~12:30
セッションC:弦楽器奏者の悩みにこたえる相談&レッスン会(アレクサンダー・テクニーク)
講師:楠 洋介(アレクサンダー・テクニーク教師/鍼灸師)
6月30日(日)13:30~16:30
セッションD:音楽家のためのヨガ&アレクサンダー・テクニーク(姿勢でわかること)
講師:楠 道子(アレクサンダー・テクニーク教師/ヨガ・インストラクター)
いずれも場所は、スタジオI-LAB(渋谷区千駄ヶ谷3-21-6 外苑MKビルB1)
参加費(1コマ分)は、7,000円
※2コマ分ダブル参加の場合 → 12,500円
お申し込み、または質問・問い合わせを、お電話(080-5899-5203)またはメール(office@btune-hariq.com)よりお願いいたします。
アレクサンダー・テクニーク江古田レッスン会(第7回)
次回は、2019年7月7日(日)15時~17時 定員は6名まで
場所:江古田のbodytune鍼灸マッサージ院内スタジオ
参加費:4,000円
1人20分程度のレッスンを順番に行なって、みんなでシェアします。
申し込み、お問い合わせは080-5899-5203までお電話か、office@btune-hariq.comまでメールください。
または、お問い合わせフォームのページから送信いただいてもけっこうです(>>ご相談・お問い合わせ)。
無料メルマガもあります!
『演奏の不調・お悩み相談メール講座』という無料メルマガを好評発信中です。
よろしければ、下のリンク先から登録ください。

2016年、東京練馬区の江古田にてbodytune鍼灸マッサージ院を開業。
鍼灸師、マッサージ師。アレクサンダー・テクニーク教師。