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bodytune(ボディチューン)音楽家のための鍼灸

型どおりだとしても二度と同じことのない治療

" 東洋医学 "

2018年5月10日

こんにちは!ハリ弟子です。

 

鍼灸には一定の型があります。

 

脈を診たり、痛む場所、症状に応じてだいたいチェックするべき体の部位や鍼をするツボが決まってくるのです。

 

鍼灸学校では、そういった「型」的なものと、なぜそうなるのかの理屈を学んで実技を練習します。

 

しかし、学校の実技はあくまでも形をなぞる練習です。

 

本当にその症状を持った患者さんではありません。

 

そのため、資格をとって実際の治療をするようになるとその違いに戸惑います。

 

学校では形をなぞるのがうまければいい成績が取れますが、治療では変化を起こせなければいけません。

 

そんな時、ハリ弟子にはアレクサンダー・テクニークを学んでいることがとても役に立ちました。

 

アレクサンダー・テクニークでは、レッスン中にありとあらゆることに気づいているよう求められます。

 

そして、毎瞬毎瞬を新しいことが起こるものとして受け取り続けるよう言われます。

 

生徒さんが見せる動きはもちろんのこと、表情、色合い、立てる音(衣擦れ、足音など)、周囲の人、窓の外の景色、お天気の様子、、、ありとあらゆる感覚的情報にオープンでいるようにします。

 

さらに、こうした情報に対して自分がどのように反応するか(身体的なことも感情・思考面のことも)、ということも情報としてオープンに受け止めます。

 

そして直観にしたがって、自分が何を提案するかを選びます。

 

仮に同じ生徒さんの10回目のレッスンで、同じ提案の10回目だったとしても、これまでの9回という歴史を経た「新しい」10回目の提案をします。

 

それでなければ、死んだように形をなぞるだけの提案になり、レッスンが生きないからです。

 

鍼灸には四診という言葉があります。

 

患者さんを観て、患者さんの言葉を聞いて、患者さんの体に触れて、患者さんに質問をすることで、これからやる治療を組み立てます。

 

アレクサンダー・テクニークでいろんなことに意をはらうことをやり続けていると、四診がやりやすくなります。

 

また、同じ患者さんの同じ症状に対する治療であれば同じツボを使うことも増えてきますが、そんな時にもこれまでの全てがあった上での今日のそのツボという新しい意味が出てきます。

 

症状が同じだからまた同じツボ、ではないのです。

 

はた目には型どおりの治療をしているように見えますが、患者さんの中で流れる時間は常に最先端の「今」であるように、そんなことを心がけて治療をしています。

 

この記事を書いた人

2016年、東京都練馬区の江古田にて音楽家専門の鍼灸治療院を始める。

2021年、東京都品川区の鍼灸院「はりきゅうルーム カポス」に移籍。音楽家専門の鍼灸を開拓し続ける。

はり師|きゅう師|アレクサンダー・テクニーク教師

 

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